「発注方式」についてのMEMO
- media4607
- 4月25日
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建築プロジェクトは、基本的に「設計→工事施工」の流れで進んでいきます。プロジェクトを進めていくためには、まずその業務を専門の会社に「発注」する必要があります。そのため設計業務や工事施工等専門の会社に発注する方法全般を「発注方式」といいます。
今日、社会は高度に複雑化し、建物に要求される品質性能には多角的な検討が必要になっています。また建築業界も就業者の減少、特に熟練技術者の不足や工事費の高騰等は、スムーズに事業を進めることが難しくなっています。そのため「発注方式」は、施設の用途や計画地の状況、工事内容、需給バランスにより、多様な方法の中から適切な方法を選ぶ必要があります。
安く工事発注できても品質内容が伴わなければ、発注者の竣工後の管理コストがかさみ、発注者リスクは大きくなります。
建築の「発注方式」
今日、様々な発注方式があり、発注者の要望や施設の用途などプロジェクトの内容に合わせ、最適な方法を選択できます。主な発注方式は、
① 設計・施工分離発注方式
② ECI(Early Contractor Involvement) 方式(設計段階から施工者が関与する)
③ デザインビルド方式(設計・施工一括発注方式)
があります。各方式には責任分担、工事費の合理性、建物の品質確保等の点から、メリット、デメリットがあり、建築プロジェクトの内容に合わせ検討する必要があります。
これまでは、一般に①設計・施工分離方式か、③デザインビルド方式で発注されていましたが、今日の技術者不足や工事費高騰等の社会情勢もあり、適切な工事費、スケジュールの把握が難しいため、設計段階から施工者が関与し、合理的な施工ができるよう支援する②ECI方式を採用されるケースも増えています。
また複雑なプロジェクトが多くあるため、今日では日本でも、発注者の建設プロジェクト推進支援のため、「CM(Construction Management)方式」も採用されています。
昨今の工事費高騰は、大規模プロジェクトにおいては、これまでの工事請負契約では、施工者のリスクを大きくし、施工をする魅力が少なくなります。そのため、工事契約についても、施工技術を発揮してもらうため「数量精算方式」「コスト+フィー契約」等の契約方式の検討をする流れもあります。
設計・施工の発注方式だけでなく、プロジェクトに応じ、「CM方式」「契約方式」も併せて考えていくことが、建設プロジェクトをスムーズに進めることになります。
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